尚は夫である哲也と一緒に暮らしている。彼はIT会社のディレクターだ。その会社は大学時代からの知り合いによって設立され、発展した。数億円のベンチャーキャピタルの投資を受け、哲也は急速に裕福になった。しかし最近、哲也は会社のお金を個人的な目的に頻繁に使い、失敗した投資のせいで会社は破産寸前に陥っている。東尾は哲也と尚を十年前から知っている。尚がモデルをしていた時、東尾は彼女に恋をしていた。しかし、年齢や立場に対する自己不信から、東尾は身を引き、哲也が尚にプロポーズして妻として迎えることを許した。会社が不安定で哲也の地位が脅かされている間、東尾は尚に近づき、少しずつ彼女を依存させて、手放せないように仕向けた。東尾は会社の人々の信頼も得たため、すぐにディレクターの地位を手に入れた。 東雄は哲也を忘れていなかった。彼は哲也にオフィスに来るようにメッセージを送り、自分の愛する妻が今は他の人をもてなしているその部屋で、彼が全てを奪われたことを目撃させた。